50代で転職してみた4、あれから7か月
女性50代、思い切って最後の転職。
その結果、昨年の7月から小さな企業で新たなスタートを切りました。
頼る人もいない、予想以上のバタバタ状態、マニュアルなし、引継ぎなし、パソコンやプリンタやソフトの設定も当然自分で、わけもわからないのにコールセンターのように電話の取り次ぎ、本来の業務に手をつけることなく1日が終わる日もありました。

電話の取り次ぎといっても、隣の人の電話をとるとかですから。
あなたが忙しくてとれないのなら、私も忙しくとれないんですよ。
自分でとればよくないですか。
などと直接言うのは、1年過ぎてからか辞めるときだな。
友人たちは口をそろえて

そりゃ、いつまで続くかねえ

転職したら??
と言いますが。

それはそうと、本来の業務以外のことばかりやっていたら、かろうじて持っている薄っぺらな我が専門知識が退化してパーになる。
いまやそっちのほうが悩みのタネだ。
意を決して社長に直訴。

あのー、ちょっとだけお時間よろしいでしょうか

時間が空いたら
お願いしたのはその日の朝一のことでした。
時間が空いたらと言われたままもうすぐお昼。
おなかがすいたけど食べに行くわけにもいかず、いつになったら時間が空くのか、いつになったら声をかけてくれるのか。

いや、待てよ、もう私のことなんて忘れてる??
そのまま2時まで待ったけど声もかからないし、だんだん腹が立ってきて

なんなの?
何時ごろとか今日は無理とかなんとかないわけ??
ばかばかしい、お昼行ってこよ。
で、お昼から戻ってきてもまだ声がかからない。

もういいわ
もう一度転職だ、アホくさ
50歳超えたからって何だっていうのよ
こうなったら何回だって転職してやる
と腹をくくっていたら社長が現れ

4時からね
だってさ。

なぜそれを最初に言えない。
何時間ヤキモキしながら仕事していたと思っているのだ。
とココロの中でぼやきながらも、元気よく

ハイ!お願いします!
やーよねー、ウチヅラとソトヅラ。
ま、仕方ない、これが社会で生き抜く処世術だ。
そして4時になり、ちょっとした部屋に行き、ようやく思いのたけを伝える時間となった。
時間のないひとに時間をとってもらったわけだし、だらだら話すのではなく、端的に伝えようと、私なりにコンパクトなセリフを用意していた。
そのセリフをもれなく言い切るために、私の中では緊張感が走っていた。
社長への直談判だし。

本来の業務が軌道にのってからほかの業務をやらせてください
なぜなら。。。

いいよ

え?

ん??

はいー???
最後までセリフを言えなかった。
この1か月、私は何のためによくわからない業務に振り回され、若いそっけない子たちから意味の分からない指示をとばされ、本来の業務に手もつけられず、モンモンと帰り道を歩いたのか。
なーんだ、なんだ。
やっぱり言いたいことって言っちゃえばいいのかもなー。
結局どこに行っても1日1日ってこんなことの繰り返しなのよね。
わかっちゃいるけど、何回繰り返しても、そのたび乱される。
ということでひとまず再度の転職は逃れました。
7か月たった今、本来の業務に専念させてもらっています。
それでも、手つかずだったものに手をつける作業のため、一生終わる気がしないという、別のモンモンをかかえながら働き続けております。
先日、2019年6月まで勤めていた会社の前を通ったとき、なんだかグッとくるものがありました。
今思えば良い会社だったし、良いひとたちだったなぁ。

振り返っても仕方ない、今は今だ。